No Title Prologue:0

 
——どうやら、僕はこれからの人生で、後始末をしなければならないらしい。

彼は空を仰いだ。
これからまもなく分岐するであろう並行世界の分岐のうちの一つ。その分岐のはるか未来の出来事の後始末を。

しかし、これは僕が招いたことでもある。
自業自得。そういう風に”未来の友人”は言うであろう。

あと12年ほど待たなければならない。
その未来の友人がこの世を去らなければ、後始末は始められない。
僕はそれまでに並行世界の分岐となるきっかけを作らなければならない。
——だけど、今の僕の二倍の年齢になった僕はどんな人間になっているだろうか。

未来の自分に宛てた手紙を書いてみたい気もするが、その時間が惜しい。
その時間を、計算式の構成・理論の構築・矛盾の予測・システムの存在証明をする時間にあてたい。

僕はペンを走らせた。

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